そうめんのふる里『大和三輪』と『一筋縄』
平素は、三輪山勝製麺『一筋縄』をご愛顧賜りまして、ありがとうございます。
わたくし、六代目・山下勝山が、麺職人としてこの道一筋に五十年を数えますのも、ひとえに皆様のご支援をいただいたお陰と感謝しております。麺造りも奥が深いもので、「安心安全で美味しい麺を」と精進して参りましたが、ある時、改めて《真に美味しい麺》とは何かと悩み始めました。コシの強さは、グルテンを増やせば出せるが味を損なう。
ツルツルとした喉越しは、でんぷん質を増やすことで出来るが、艶は出るものの小麦粉の風味を損なう。そこから試行錯誤が始まりました。そして遂に、《表面は柔らかく、芯にコシがあり、香の良い、真に美味しい麺》を創りだすことに成功しました。それまで誰も成しえなかった、画期的な手延べ製法です。
さらに、一般的に油を使用するところ葛粉を使って手延べし、油の酸化臭もなく、舌触り優しい艶やかでヘルシーな麺となりました。
この道一筋の心意気と、麺を丁寧に縄の様によりを掛けて仕上げることから、『一筋縄』と命名して、世に問いましたのが約二十年前のことです。 これまで主流だった極細の素麺に比べ、少し太めで、葛の光沢により盛りつけたときの美しさも殊の外、口に入れれば滑らかにして、噛めばモチモチとしたコシがある、多くの方に喜んでいただいております。高級料亭のご主人にも「うちのお客様に出す価値あり」と、太鼓判をいただきました。
勝山の魂を込めた「一筋縄」を、どうぞご用命いただきますよう、心よりお願い申し上げます。