長年の勘と蓄積したデータに基づき、気温・湿度・水温などを考慮し、塩と水の量を調整し、塩水を仕込みます。
小麦粉と葛粉をあらかじめ入れたミキサーになかだてで仕込んだ塩水を均等に加えていきます。当店の小麦粉はたんぱく質含有量が少ないために僅かな加水量で麺の出来不出来が決定されます。
勝山は手で麺生地の弾力を確かであるかどうか神経を研ぎ澄まし再度加水量の微調整を行います。この作業は、手延べ麺づくりで最も重要な作業です。
こねまえで仕込んだ生地に圧力を加えてキメ細やかな団子状の塊にします。
団子状の塊を麺帯と呼ぶ切断面が12cm×5cmの太いひも状に切り出して、“採桶(さいとう) “と呼ばれる桶に巻き込んでいきます。
その後、3本の麺帯を重ね圧力をかけて張り合わせ一本の麺帯に仕上げることで麺にコシをもたせる作業をします。三輪山勝製麺ではこの作業もこねまえ作業とともに重要作業と考え、重ねて張り合わせた麺帯を更に重ね張り合わせる作業を幾度も繰り返すことによりたんぱく質含有量の少ない小麦粉で製麺した際のコシを生むことに成功いたしております。この作業で板状の麺帯から丸く太い麺となります。
麺の表面に乾燥防止・麺と麺の癒着の防止などの為に通常使われる油の替わりに葛粉を塗布します。
麺に撚り(ねじること)をかけ細くしていきます。麺に撚りをかけるのは引き延ばす作業に備え、強い麺にするためです。葛粉を麺の表面に塗付しながらさらに撚りをかけ、6mm程度まで細くします。その後、熟成を行います。
更に撚りをかけながら15cm間隔の平行に並んだ二本の棒に8の字に掛けます。かけたものから順に、室(長持に似た麺を入れる箱)に入れ次の熟成のピークがくるまで数時間熟成を行います。
二本の棒にかかった麺を50cmまで引き延ばします。
室から麺を出して引き延ばしをスタートさせます。手延べ麺の作業風景で最も絵になる作業です。麺を機(ハタ)とよばれる製麺用の器具に取り付け、麺の付着を防ぐ為に箸で麺をさばきながら段階的に約2mまで引き延ばします。
麺の水分量が13.5%前後になるまで乾燥いたします。麺の甘みと風味が失われないように冷風で乾燥いたします。
乾燥した麺を規定の寸法(そうめんは19cm)に裁断いたします。
切断したそうめんは、50gずつ計量、結束し、金属探知機を通し目視による品質チェックを行ないながら、箱詰めします。